松尾芭蕉が句を詠んだことで知られる山形市の宝(ほう)珠(じゅ)山(ざん)立石寺(通称・山寺)の根本中堂で27日、ご本尊の「薬師如来坐像」が50年ぶりに御開帳された。 午前10時50分、稚児行列に参加したこどもたちや参拝客が詰めかける中、僧侶が厨(ず)子(し)の扉のかんぬきを開けると国重要文化財の薬師如来坐像が気品に満ちた姿を見せた。 像は高さ約130センチ、カツラ材の一木造り。眉や眼、ひげ、唇以外は彩色が施されていない。平安時代の僧侶、慈覚大師(円仁)の作と伝えられる。住職の清原正(せい)田(でん)さん(63)は「今年は慈覚大師没後1150年にあたります。このご開帳が地域の活性化につながれば」と話した。 法要に先立ち、50年前の御開帳で行われた稚児行列も再現された。午前9時半、稚児衣装に着飾った地元近隣の子ども約120人と親や僧侶らが山寺芭蕉記念館からお堂までの約1キロを練り歩いた。 1歳