核兵器なき世界を目指すアメリカのオバマ大統領は、自ら検討していたとされる「核兵器の先制不使用宣言」について、宣言を断念したもようだとニューヨーク・タイムズ(電子版)が9月5日、複数の政府高官からの話として伝えた。政権内から「同盟国を動揺させる」「ロシアや中国を勢いづかせる恐れがある」といった反対の声が相次いだためだという。 1945年8月に広島と長崎に原爆を投下して以来、歴代のアメリカ大統領は核兵器を「最後の手段」としつつ、核の先制攻撃の可能性については不文律ながら維持してきたが、オバマ氏は2017年1月の任期終了前に核政策の見直しを進めており、その中で「核兵器の先制不使用宣言」も検討していたとされる。