「あまから手帖」といえば関西のグルメ雑誌の老舗で、舌の肥えた読者で知られる。その編集長が教える京都の楽しみ方。しかも今回は和食だけじゃない、京都にあるほんとうに美味しい店をご紹介。第1回は「肉」、牛肉のうまい店だ。 ◆ ◆ ◆ 京都人は日本一の牛肉好き 私は大阪在住なので、京都は“わざわざ行く”とこだ。「あまから手帖」の取材で20年間、なんやかんや週1くらいのペースで通っているけれど、京都の食を内側から見ることはない。常に外から見ている。つまりそれは、最も近いとこ(大阪)から行く観光客の目線に近いのだろうと思う。このコラムでは、その視点で京都の美味いもんを書いてみる。 京都に何か食べに行こか、となると、当然“らしい”ものを考える。それは日本料理かと言えば、そうでもない。距離の近さは心理的にもそうで、「今、食べとかな」と思えるものがあれば小1時間、電車に乗る。ここ数年でいえば、その筆頭は肉だ