一つの事を見るだけで、他のすべての事がおしはかられる、一つの小さな事でも、ひいては万事その調子になるということ。[初出の実例]「高野聖が半弓にて鍋釜盗人を一人射殺たるとて足軽をあづけ、弓大将にせらるるなれば、一事(ジ)が万事にわたる故、何として人を見しりなされん」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品四〇下)
〘 名詞 〙 小作料その他小作関係について、地主と小作人の間に起こる争い事。大正末期から昭和初期にかけてしきりに起こった。[初出の実例]「小作争議の時など、〈略〉一番先きに立って」(出典:不在地主(1929)〈小林多喜二〉二) 日本地主制のもとで,小作人を中心とする農民が小作条件改善と農民解放を目ざした闘争であり,直接には地主に対してたたかわれた。小作人の地主に対する闘争は,すでに明治末期ごろから不作などを理由に西日本で散発していた。しかし,小作争議が本格的に展開したのは,第1次世界大戦後の1920年から30年代においてであった。小作争議発生の経済的契機は,第1次世界大戦による好況が商業的農業と労働市場の展開を急速に促し,地主的土地所有と農民的小商品生産との矛盾対立を顕在化させたことにある。さらに政治的には,ロシア革命による社会主義思想の導入,米騒動の勃発(1918),労働運動の急速な発展
〘 名詞 〙 その人の人格形成や、行動の方向づけに、知らず知らず影響を及ぼしている、幼少期の体験。[初出の実例]「作品のモチーフは作家の思想・感情・経験あるいは原体験など」(出典:独創と賭の意識(1956)〈山本健吉〉二)
〘 名詞 〙 地層が波のように湾曲している状態をいう語。水平な地層に地殻変動による横圧力が加わるなどして生ずる。形態によって正立(直立)褶曲・傾斜褶曲・横臥(横伏せ)褶曲などに分けられる。〔英和和英地学字彙(1914)〕 地層や岩体が力を受けて変形し,湾曲したとき,その構造を褶曲といい,褶曲をつくる変形作用を褶曲作用という。したがって,地形に沿って火山灰や軽石が降り積もったような場合は,曲面状にみえるけれども褶曲とはいわない。また,花コウ岩のように均質な火成岩体では,層理面のような基準となる面構造に乏しいので,褶曲を見いだすことはむつかしい。しかし,火成岩体が褶曲しないわけではない。一般に,褶曲というと,造山運動など造構作用に伴って後生的に形成されたものを指すことが多いが,堆積時や堆積直後の海底地すべりによって形成されたものもある。これらはスランプslump褶曲と呼ばれたり,特定の層準に限
〘 名詞 〙 ( [オランダ語] kampher, kamfer )① 医薬品として用いる、精製した樟脳(しょうのう)。強心剤とする。〔采覧異言(1713)〕② =カンフルちゅうしゃ(━注射)①[初出の実例]「カンフルは非常に能く利くね」(出典:思ひ出す事など(1910‐11)〈夏目漱石〉一四)③ =カンフルちゅうしゃ(━注射)②[初出の実例]「その刺激をカンフルにして辛うじて蘇生し」(出典:結婚(1967)〈三浦哲郎〉一〇) カンファーcamphorともいう。ショウノウ(樟脳)の医薬品名。ショウノウは医薬品のほか,セルロイド,火薬,フィルムなどの原料とされ,防虫剤,防臭剤などにも用いられる。カンフルは起死回生の強心薬としての意味をこめて比喩的に〈カンフル注射〉の言葉が用いられるが,現在では強心薬としての用途は限られている。カンフルの薬理作用として次のような性質が知られている。(1)中枢興
馬もしくは牛の引く大型四輪の荷車で,荷台に幌がかけられるようになっている。アメリカ西部開拓史と結びつけて考えられる幌馬車は,いくぶん特殊な構造になっており,その原型は18世紀半ば,ペンシルベニアのランカスター地方でペンシルベニア・ダッチがつくったコネストーガ・ワゴンである。荷台の床は平らでなく,ボートのように中央部が弓なりに曲がっており,悪路や急坂でも荷物がころげたり,落ちたりしないようになっている。
[名・形動]《慣用読みで「ちょくさい」とも》 1 すぐに裁断を下すこと。また、そのさま。「直截な(の)処置」 2 まわりくどくなく、ずばりと言うこと。また、そのさま。「簡明直截な表現」 [類語]ざっくばらん・開けっ広げ・開けっ放し・明け透け・単刀直入・ずばり・率直・開放的・あからさま・ずけずけ・大っぴら・露骨・あらわ・赤裸・赤裸裸・筒抜け・ガラス張り・公然・表沙汰・フランク・歯に衣きぬ着せぬ・直接的・直ちょく・直じか・直じかに・直接・じきじき・ストレート・ダイレクト・ぽんぽん・口さがない・口が悪い・口うるさい・口やかましい・辛口・毒舌・ずばずば・剝むき出し・えげつない・遠慮会釈もない・無遠慮・言いたい放題・啖呵たんかを切る
ある分野で最も高く評価され、尊敬される人のたとえ。 [使用例] マダム、シュールは東洋文学研究の泰斗として各国に知られている博士アルフォンズ、シュールの夫人で[永井荷風*つゆのあとさき|1931] [由来] 「新唐書―韓かん愈ゆ伝・賛」の一節から。八~九世紀の中国の文人、韓愈は、とても影響力のある人物でした。死んだ後でもその主張は大いに実践されて、「学者、之これを仰ぐこと泰たい山ざん北ほく斗とのごとし(学者たちは、まるで泰山や北斗七星を仰ぎ見るかのように、韓愈を尊敬した)」という状態だったそうです。ここから「泰山北斗」という表現が生まれ、それが省略されて「泰斗」となりました。なお、「泰山」とは、現在の山東省にそびえる、中国第一の名山です。
一部の筋肉の電撃的なすばやい不随意の収縮をいう。不規則でリズム性はない。大脳皮質から脊髄に至る中枢神経系内のさまざまな部位の障害によって生じる。各種の脳炎や脳症においてみられ,クロイツフェルト=ヤコブ病などのプリオン病でも認められる。ミオクローヌスに認知症,痙攣(けいれん)発作を伴い,小脳症状などを示し,進行的に悪化するものを〈ミオクローヌスてんかん〉と呼び,一つの症候群として扱われる。このなかにはラフォラ病Lafora disease,脳リピドーシス,その他の変性疾患などが含まれる。また安静時にはみられず随意運動の際に生ずるものを動作性ミオクローヌスと呼び,無酸素脳症などでみられる。一方,軟口蓋などが律動的に収縮する口蓋ミオクローヌスは,異なった性質のものであり,小脳歯状核,上小脳脚または脳幹被蓋部の中心被蓋束のいずれかの部位の障害で起こる。 →てんかん 執筆者:楠 進 [どんな病気か]
〘 名詞 〙 奪い取ること。特に、帝王の位・政治の権力・支配権などを奪うこと。[初出の実例]「授禅といふこと為(なし)て。父子の親愛廃(すた)り。簒奪の所為これより始まれり」(出典:古道大意(1813)由縁)[その他の文献]〔後漢書‐隗囂伝〕
〘 名詞 〙 ( 形動 )① みえをはって派手にふるまうこと。おごりたかぶって贅沢であること。形式・常識から逸脱して、奔放で人目をひくようなふるまいをすること。また、そのさまやそのような行ない。[初出の実例]「近日号二婆佐羅一、専好二過差一、綾羅錦繍、精好銀剣、風流服飾、無レ不レ驚レ目」(出典:建武式目(1336)一条)「佐々木佐渡判官入道々誉が一族若党共、例のばさらに風流を尽して」(出典:太平記(14C後)二一)② 音楽・舞楽で、本式の拍子からはずれて、技が目立つようにする自由な形式。また、そのような音楽・舞楽のさま。[初出の実例]「下臈の笛ともなく、ばさらありて仕るものかな」(出典:続教訓鈔(14C前か))
[名](スル) 1 縮むこと。引き締まること。また、縮めること。収縮。「血管を収斂させる」 2 一つにまとまること。また、まとめること。集約。「意見が収斂される」 3 租税などを取り立てること。 4 生物学で、系統の異なる生物どうしが、近似した形質をもつ方向へと進化する現象。相近。 5 「収束2・3」の旧称。 〘 名詞 〙① あつめ、ひきしめること。また、収縮すること。収縮させること。また比喩的に、多くの要素・条件などがある一つのものに集約すること。[初出の実例]「窮経之法、以下収二斂身心一而立中至徳之大本上為レ主」(出典:藤樹文集(1648頃)五)② 穀物などをとりおさめること。収穫。〔日葡辞書(1603‐04)〕 〔荘子‐譲王〕③ 租税を取り立てること。収税。[初出の実例]「京及諸国、因二官人月俸一、収二斂軽税一」(出典:続日本紀‐養老五年(721)六月乙酉)「千五百年代の末、玉凾抜人
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