鄭和/南海諸国遠征 明の永楽帝が1405~30年まで東南アジアからインド洋に派遣した大艦隊を指揮した人物。その遠征は、インド、アラビア、アフリカ東岸など、南海諸国に及んだ。目的は朝貢貿易の拡大にあった。 鄭和はもとは雲南出身で馬和を名乗るイスラーム教徒であった。明が雲南を征服したとき捕虜となって、宦官にされたらしい。詳しい経緯は判っていない。後に永楽帝に仕え、靖難の役で功績を挙げ、信任されるようになり、鄭の姓を与えられた。永楽帝は宦官を明の統治の域外に派遣して朝貢を促し、中華帝国を再現しようとしたが、その一環として鄭和を南海に派遣した。鄭和は大艦隊を編成して東南アジアからインド洋、アラビア海に大航海を行い、明の国威発揚と、朝貢貿易の拡大に努めた。 注意 永楽帝の時の鄭和の大航海のような華々しい海外発展は、一見、民間貿易の隆盛を示すもののようだが、洪武帝以来の明朝の基本政策である海禁は続いて