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2008年7月6日のブックマーク (1件)

  • コラム「開発援助をめぐる経済学者の「知の冒険」」

    2001年の9.11事件以降、先進国においても、貧困が明らかなグローバルリスクであるということがようやく認識されるようになった。そして、その半年後に開催された2002年3月の国連・モントレー開発資金会議での援助倍増論を皮切りに、国際政治の世界において、援助の「量」を中心とした議論が展開されている。とはいえ、援助が世界的に増加してゆく趨勢において、援助の「質」についての議論が「実務」の場で深化しているとは必ずしもいえない。しかしながら、その陰で9.11以前の2000年前後から、援助研究においては、クロスカントリーのデータを用いた緻密な実証研究や理論研究が急速に蓄積されており、開発援助をめぐる経済学者の「知の冒険」は既に始まっていたといえるだろう。 最近の国際援助に関する議論の中心は、ミレニアム開発目標 (MDGs)(注)に代表される貧困削減であり、MDGsの「ターゲット1」は、世界の貧困人口