トルコの司書職制と図書館情報学教育 1. はじめに 2010年12月10日、トルコ共和国『官報』(T.C. Resmî Gazete)第27781号に、次のような閣議決定が掲載された。 民俗調査官、司書、文書館員、資料保存専門職および社会学専門職の「官職」は、国家公務員法第36条第1項第2号に規定する「技術職」であるものとする(1) この閣議決定は、トルコの司書職制と図書館員養成の歴史において少なからぬ意味をもつものである。本稿では、この決定を手がかりにトルコの司書職制と図書館情報学教育の現状について紹介する。 2. トルコにおける図書館情報学教育 トルコでは、図書館情報学の研究教育を行う大学組織は、アーカイブズ学の研究教育を行うものと合わせて「情報・記録管理学科」の名称で統一されており、現在この学科に学生を受け入れている大学はトルコ国内に5つ存在する。この名称に変更されたのは2002