A.気体と液体の連続性・同一性 気体、液体、蒸気そして流体 形が自由に変形するものを流体fluidと称します。 気体と液体は共に流体なわけですが、どうやって区別するでしょう? 簡単そうですが、明確な判断基準となるとやっかいです。 まず最初に ―― 問題の所在 ここでは、水が固体の水(氷)や液体の水(いわゆる水)、気体の水(水蒸気)という風に、同じ物質が異なる形態で存在する、その存在形態の区別を取り上げます。 気体は体積の変化する流体、液体は体積の変化しない流体。 力学的な観点から見た時、そういう定義もありえます。 しかしこの定義を適用した時、厳密に液体と呼べる物質は存在しません。通常液体と呼ばれるものは、温度や圧力の変化にともなう体積の変化量が小さい(多くの液体の温度膨張率は大気の数分の一、圧縮率は万分の一程度)だけで、けっして変化量が0というわけではないからです。 この文脈では、液体とい