そしてロリコン、NTR…(以下、文字にするだけでアレなので自粛)といった男達の持つ多彩な性癖は、日本のAVのジャンルをそのままキャラクターに純化したものとも言える。だからこそ、一人ひとりのキャラクターが、それぞれ個性的に狂っているのだ! そして作中では、登場人物たちが性犯罪者となるに至ったエピソードも随所に挿入されるのだが、そこには可笑しさもあり、悲しさもあり、圧倒的なリアリティもある。それは、著者が『漫画実話ナックルズ』などの取材で現代ニッポン土着の狂気を体感し、『ニッポン縦断仰天フーゾク』なんていう作品まで描いてきた人物だからだろう。 また日本のヤバい映画、ヤバい事件へのオマージュも随所に感じられる。まず孤島での殺し合いは『バトル・ロワイアル』的であるし、一人の女性をめぐって男達が殺しあう……といえば、日本には「アナタハンの女王事件」という壮絶な出来事があった。そして第1話のタイトルを