Japan’s players celebrating beating Scotland and progressing to the knockout stages. Photograph: Odd Andersen/AFP via Getty Images
ピッチに入る青山に指示を出す森保監督(右)。試合中はこまめにメモを取っている [写真]=Getty Images 森保ジャパンのコンセプトとは? 「気持ちいい」 「爽快」 「見ていて楽しい」 ウルグアイ戦の感想にはポジティブな言葉が並んだ。実際に、南米の強豪を相手に日本代表が見せたサッカーは驚きだった。4-3で勝ち切ったという結果もさることながら、ロシア・ワールドカップの主力選手がほとんど残っているチームに、半数以上のメンバーが入れ替わった日本が、スコアでも内容でも上回った。 「選手たちがチームコンセプトのもと、個の力を発揮する、そしてチームとしてトライすることをやってくれての結果」 森保一監督は記者会見でこう振り返っている。森保監督らしい、シンプルで、真面目で、ともすれば面白みのないと感じるかもしれない。ただ、森保ジャパンの目指すべき方向性が、このコメントには詰まっていると思う。 南野拓
リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko W杯期間中は、かつてサッカー界を彩った多くのレジェンドたちもロシアの地に集まっていた。彼らの多くは各国のテレビ局のコメンテーターとして、後輩たちのプレーを解説した。だが、放送では言いたくても言いたいことはたくさんあるようで......彼らに突撃してみると、饒舌にいろいろなことを語ってくれるのだ。 今回、話を聞いたのは、1990年のイタリアW杯で世界の頂点に輝いたドイツのレジェンド、ユルゲン・クリンスマン。イギリスのBBCの解説者として、多くの試合を観戦していた。 クロアチア対イングランドの準決勝を観戦中のユルゲン・クリンスマンphoto by Shutterstock/AFLO 一時は日本代表の次期監督になるのではないかと噂されたクリンスマン
長谷部 誠は代表からの引退を発表した ベルギーとの激闘から一夜明け、ベースキャンプ地のカザンに戻ってきた日本代表が最後の取材対応を行なった。 「ひと晩中、もっとやれたんじゃないかな、という想いがずっと頭の中を駆け巡っていた」と明かしたのは、4試合フル出場を果たしたDFの吉田麻也だ。 「1失点目はたしかに相手のラッキーな形からの得点だったかもしれないけれど、まだ勝ち慣れていない、勝ち切る強さがないという思いが強いです。この経験から学んでいかないといけない」 吉田が悔やむのは、2‐0になってからの試合運びだ。前半からハードワークして相手にプレッシャーを与え、後半の頭に立て続けに2ゴールを奪いながら、その後のゲーム運びが無意識のうちに受け身になっていた、と吉田は指摘する。 「もちろん肉体的、フィジカル的、能力的な差はあったと思いますけど、精神的な弱さ、脆さが出てしまったんじゃないかというのは感じ
林舞輝の日本代表テクニカルレポート第3回:日本対ポーランド 欧州サッカーの指導者養成機関の最高峰の一つであるポルト大学大学院に在籍しつつ、ポルトガル1部のボアビスタU-22でコーチを務める新進気鋭の23歳、林舞輝が日本代表のゲームを戦術的な視点から斬る。第3回のテーマは、今でも議論が二分している「談合サッカー」ではなく、「ポーランド戦の日本はなぜ機能しなかったのか?」を検証する。 試合時間、残り10分。西野監督は長谷部を投入し、このまま0-1の負けで終わらせコロンビアの守備力に運命を託すという鳥肌の立つような決断をする。 通常「談合サッカー」は両者とも他会場の結果は関係なしに引き分けで終われば突破できる場合などで行われるが、今回はセネガルが残り10分で1点でも決めれば一瞬で敗退が決まるというリスクのある「談合サッカー」だった。肝が据わっていると言えばそうなのだが、完全に他力本願の無気力サッ
林舞輝の日本代表テクニカルレポート第2回:日本対セネガル 欧州サッカーの指導者養成機関の最高峰の一つであるポルト大学大学院に在籍しつつ、ポルトガル1部のボアビスタU-22でコーチを務める新進気鋭の23歳、林舞輝が日本代表のゲームを戦術的な視点から斬る。第2回のテーマは、難敵セネガル相手に優勢に試合を進められた決め手となった「日本のビルドアップの高度な工夫」について検証する。 正直に言えば、フットボリスタ本誌に寄稿した私のセネガル戦の分析とシミュレーションは間違っていたと言わざるを得ない。理由は簡単で、クリバリ&サネという世界最高クラスと言っても過言ではないCBコンビ相手に大迫がボールを収められるとは思っていなかったし、セネガルの屈強なFW陣相手に昌子が競り勝てるとも思っていなかったし、圧倒的な突破力のある両ウイングを酒井&長友が封じられるとも思っていなかった。だが、蓋を開けてみればすべての
【インタビュー】酒井宏樹が語るマルセイユでの成長、W杯への想い、そして未来とは(後編) 2018.05.16 フランスのサッカーファンで、マルセイユのDFサカイを知らない人はいない。昨シーズンは入団初年度にして、フィールドプレーヤーでナンバーワンの出場時間を記録。2年目の今シーズンは、負傷者が多発した左サイドバックも任されるなど、リュディ・ガルシア監督から絶大な信頼を受け、酒井宏樹はフランスで最もプレッシャーが厳しいと言われるこのクラブで、たくましく“マルセイユ戦士”として成長を続けている。 ロシア・ワールドカップ開幕を2カ月後に控えたこの日は、奇しくもヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任が発表された翌日だった。 >>前編はこちら (https://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20180516/758273.html) インタビュー・文=小
試合のオープニングは、ハリルホジッチらしい現象から始まった。ブラジル陣地からの日本の果敢なプレッシングは、この試合における日本の振る舞いを予想させるものであった。日本のプレッシングに対してショートパスによる前進を試みたブラジルだったが、最終的にはマルセロがロングボールを蹴っ飛ばす形で試合は始まった。 日本の守備の形は、大きく2種類にわけられる。 ゴールキックやスローインなどのプレーの再開時は、ブラジルの陣地深くからでもプレッシングを行う。相手がフリーな状態でボールを持っているときは、プレッシングの開始位置をハーフラインに定め、ブラジルの縦パスに対してボールを奪いにいった。 日本のプレッシングに対して、ブラジルの対応はサイドハーフ(ネイマールとウィリアン)が中心だった。ブラジルのサイドハーフを抑えるために、サイドバック(酒井宏樹、長友)とサイドハーフ(原口と久保)が挟み込むことで、ボールを奪
日本をロシアに導くゴールを決めたのは、22歳の若きストライカー浅野拓磨だった。この値千金のゴールの裏には、彼が尊敬して止まない内田篤人の『ある一言』が大きく影響していた。 FIFAロシアワールドカップ2018アジア最終予選・日本VSオーストラリア。ホーム・埼玉スタジアムで行われたこの一戦は、勝てば日本のロシアW杯が決まるという、重要な一戦だった。 この注目の一戦を一目見ようと埼玉スタジアムに集結したサポーターは59,492人。この超満員に膨れ上がったスタジアムを、歓喜の渦に巻き込んだのが浅野の冷静なゴールだった。 0−0で迎えた41分、CB昌子源から左サイドに流れたMF井手口陽介に縦パスが渡り、井手口が大外をオーバーラップして行ったDF長友佑都に縦パスを送り込んだ瞬間、浅野は右サイドハーフのポジションからスルスルとゴール前に入り込む。そして、長友がゴールとは反対側に切り返してクロスの体勢に
ボール支配率65%→42%が意味するもの 8月31日、W杯最終予選第9戦。日本はオーストラリアを攻守で圧倒し、FW浅野拓磨が巧みな裏への抜け出しから奪った“寿人ゴール”とMF井手口陽介がショートカウンターから突き刺した“ゴラッソ”でロシアへの切符をつかみ取って見せた。 勝つべくして勝ったと言うしかない完勝ゲームだったが、日本のボール支配率は33.5%。アジアのチーム相手にホームでここまでポゼッションで差を付けられることはなかなかないが、ハリルホジッチ監督が明確に舵を切って、意図的にボール支配を捨てていたことは明らかだった。中盤3枚の構成はMF長谷部誠をアンカーに、“猟犬”タイプの山口蛍と井手口を前に置く逆三角形。山口と井手口は相手のダブルボランチへ徹底的に食い付いて、はがされても追いかける絶対的な運動量で相手の心臓部が心地よく鼓動することを許さなかった。 一方、相手に“楽しくない”リズムで
日本を6度目のW杯に導いたバヒド・ハリルホジッチ監督(65)。その長男バニオ・ハリルホジッチ氏(33)が日刊スポーツに独占メッセージを寄せた。幼少時代、ユーゴスラビア紛争でボスニア・ヘルツェゴビナの自宅を焼かれ、指導者としても浪人生活を余儀なくされた姿を見てきた愛息が、父親の異国での成功を祝福した。 父さん、予選突破おめでとう。アルジェリア(14年W杯ブラジル大会出場)に続く成功を日本でも収めたこと、本当に誇りに思います。フランスでは、ベンチで怒る姿が「レ・ギニョル」(人形劇形式で風刺する名物テレビ番組)のネタになるほど熱かったけど、日本でもそうだったのかな。 昨年9月に僕がクロアチアで挙式した時、最終予選の合間に日本から戻ってスピーチしてくれたね。「ハリルホジッチ家の苦難の道のりを振り返れば、この結婚は本当に誇りだ」って。 そう、二十数年前は本当に複雑な環境にあった。旧ユーゴ内戦で、すべ
日本戦を振り返ったキャプテンのミリガン(5番)。中盤で速いボール回しができなかったことを悔やんだ 【Getty Images】 サッカー日本代表は31日、埼玉スタジアム2002でワールドカップ(W杯)アジア最終予選オーストラリア戦に臨み、2−0で勝利。6大会連続となるW杯出場を決めた。日本は前半41分、左サイド長友佑都からのクロスに浅野拓磨が合わせて先制すると、後半37分に井手口陽介がミドルシュートを決めて快勝した。 オーストラリアはボールをつなぐポゼッションスタイルを志向していたが、試合後、主将のマーク・ミリガンは、「中盤がごちゃごちゃしていたことで、こちらとしては狙い通りにボールを速く動かすことができなかった」と振り返った。中盤でプレーしていたジャクソン・アーバインも「ボールを速く動かすのが僕らのスタイルで、それができなかったことでフラストレーションの溜まる展開になってしまった」と日本
2017年03月25日15:47 カテゴリA代表コラム 新たな一歩 コラム 日本代表は決定力不足だと言われている。 国内の代表関連記事ではよく見かけるテーマだし、サッカーファンの話題としても鉄板ネタだ。 海外の反応でも日本代表の決定力に関するものは多い。当ブログの今回の最終予選記事内だけに限っても『日本は決定機ミスの王様』『毎 度 や ら か す』『はずしすぎぃ!』など枚挙にいとまがないほどである。 足でプレーするサッカーというスポーツはロースコアになりがちなので、得点するのに苦労しているのは何も日本だけではないが、どうも日本代表には実際に足りていない部分があるようだ。データ上でも日本の決定力不足は浮き彫りになっている。 この最終予選、グループBは第6節まで消化しているが、総シュート本数では68本で日本が6チーム中のトップだ。2位のオーストラリアが56本なので、12本差の圧倒的な数字で
前日本代表監督のハビエル・アギーレは現在、UAEのクラブ、アルワダの監督を務めている。日本、UAEの双方を知る彼にとって、この試合は特別な試合だった。 かつての指揮官の眼に、2年後の日本代表はどう映ったのかー。 「日本の快勝だった、そう言っていいだろう。日本にとっては、最終予選突破に向けた大きな一歩だ。個人的には、ピッチに2年前の代表選手たちがたくさんいたし、この地で再び彼らの姿を見るのは感慨深いものがあった」とアギーレ。 真っ先に挙がった名前は、先発に復帰しゴールマウスを守った川島だ。 「試合の流れを決定付けた一番のポイントは、あの川島のセーブにあった。エリア内で1対1の状況で打たれたシュートを、彼は見事にセーブした。決まっていてもおかしくないシーンだ。あれで1−1にならなかったことは日本にとって非常に大きかった。あそこで追いついていればUAEはさらに勢いに乗って攻めてきただろうし、スタ
久保裕也のゲント移籍会見は現地時間1月26日に行われた。冬の移籍市場締め切り寸前の駆け込み補強とも捉えかねないタイミングだ。リーグ戦で2分け3敗、ベルギーカップでも敗退という“魔の12月”から間もない時期だっただけに、確かにこの時期のゲントはかなり血眼になって選手の獲得を繰り返していた。しかし、ゲントの会長を務めるイバン・デ・ウィッテは、継続的なスカウティングを経た上で久保を獲得したことを明かした。 「久保についてはかなり前から注目しており、夏の移籍市場の時期にもコンタクトを取っていたが、(久保の所属していた)ヤング・ボーイズに負傷者がいたこともあって獲得は難しかった。われわれは(昨年8月のCL予備戦で)久保がシャフタール・ドネツクから2ゴールを決めたのを見た。その後、(ELのグループリーグで)われわれはシャフタールにコテンパンにやられた(2試合で10失点)ので、印象的だった。 もちろん、
代表の2列目争いには世代交代の風が吹き荒れている。香川真司には、長期的な視野を持ってその中心に返り咲いてほしい。 ワールドカップ、ロシア大会の最終予選が3月に再び幕を開ける。ここで注目されるのが選手の招集問題、とりわけ「欧州組」の処遇である。近年、欧州組は日本代表の主軸となってきた。しかし香川真司や本田圭佑、岡崎慎司といったクラスの選手でさえ、所属クラブで先発に定着できていないのが実情だ。 はたしてこの現状を、いかに受け止めるべきなのか。欧州で武者修行を続けることは、日本代表を牽引する手段として今も有効なのか。ピエール・リトバルスキー(現ヴォルフスブルク・スカウト部長)に、さらに意見を求めた。 ――前回のインタビューでは、香川が現状を打開するためには、思い切って環境を変え、出場機会を得られるようにすべきだという指摘がありました。 しかし香川がドルトムントにこだわってきた背景には、欧州のトッ
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