試練の先の栄光。そして再び試練――。 2010年10月、中国は山東省で開催されたAFC U-19選手権に参加するU-19日本代表に、1991年生まれの酒井高徳(現・ハンブルガーSV)、1992年生まれの宇佐美貴史(現・G大阪)らが名を連ねる中で、ただ1人1993年生まれ(2月9日生まれ)として招集されたのが遠藤航だった。 チーム最年少だったが、クレバーなCBとしてレギュラーポジションを確保し、全勝でのグループリーグ1位通過に貢献。しかし、U-20W杯出場権を懸けた準々決勝・韓国戦。スタメン出場を果たした遠藤に、悪夢が待ち構えていた。 立ち上がりから前線のチ・ドンウォン(現・アウクスブルク)とチョン・スンヨンという屈強かつ長身のツートップを目がけて、シンプルにロングボールを放り込んでくる韓国に対し、遠藤と平出涼(現・カターレ富山)のCBコンビは後手に回った。 2点先制の後、痛恨の判断ミスから