初先発を飾ったハンブルグの伊藤達哉が、圧巻のパフォーマンスでドイツ人の心をがっちりと掴んだ。 9月30日に行なわれたブンデスリーガ7節のブレーメン戦。トップデビューを飾った前節のレバークーゼン戦は途中出場だったが、この日は左ウイングとして試合開始からピッチに送り込まれた。すると、前半から積極的な仕掛けを披露し、堂々たるプレーで観客を魅了。単騎でかわす場面もあり、左サイドからのクロスで好機を演出すると大きな歓声が湧いた。足の痙攣で惜しくも53分にグラウンドを去ったが、欧州のトップリーグで確かな存在感を示したのは間違いない。 ホームゲームでサポーターを湧かせた20歳の若武者は、東京五輪世代でもある。しかし、アンダーカテゴリーで日の丸を背負った経験もなく、日本で彼の名を知る者は多くないだろう。では、どのような歩みで欧州に活躍の場を求めたのだろうか。 遡ること、4年前。高校1年生だった伊藤は小学校