上位争いとは無縁のまま、秋を迎えた横浜F・マリノス。だがこのチームには、気になる男がいる。ポルトガルからやって来たストライカー、ウーゴ・ヴィエイラだ。 外見に際立った特徴はない。 屈強な肉体があるわけでもなく、スピードに恵まれているわけでもない。華麗なボールタッチを見せるわけでもない。 だが、点は取る。ペナルティエリアの死角に身を潜め、チャンスになると不意に現われてボールを押し込む。ゴールの多くはワンタッチシュートから生まれている。 横浜のGKコーチ、松永成立は、キーパー目線から見たウーゴの怖さを次のように解説する。 「彼がゴールを決められるのは、ゴールへの意識が強いから。そして技術があるというよりも、とにかく冷静なんです。キーパーから見ると、緊迫した場面でも落ち着きが見える選手は、ほんとうにいやなものなんですよ」 ラモン・ディアスとウーゴの共通点。 現役時代、多くの名手と対峙した松永は、
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