前回までに試したように、SELinuxによってアクセスが拒否されて初めてSELinuxが役に立っていると分かるケースが大半です。そこで、今回から、アクセス拒否が起こる前に、SELinuxの効果を知る方法を紹介していきます。 SELinuxが何をやっているのか知るためには、セキュリティポリシーがどうなっているのかを分析する必要があります。今回は、分析の前提知識として、セキュリティポリシーの構成要素を解説します。 第2回で説明したように、SELinuxの最も主要な機能はTEとMCSです。MCSについては、大ざっぱには、「ドメインはカテゴリーが一致するタイプにアクセス許可」という設定だけなので、特に設定を分析する必要はありませんし、コンテナーや仮想マシンの分離に使われているのみです。 残りのSELinuxの働きは、TEです。SELinuxを理解するには、どのようにTEがセキュリティポリシーに設定