子猫の殺処分を減らすため、大阪市獣医師会(同市東成区)が昨年10月、試験的に始めた「子猫リレー事業」が注目を集めている。自治体に保護された子猫を獣医師やシニアボランティアが引き取って世話した後、若い世代の飼い主に譲渡する取り組み。全国の猫の殺処分は年間6万7091匹(2015年度)に上り、うち生後数週間の子猫が約7割を占める。保護猫の譲渡活動を獣医師会が主導する事例は全国初とみられる。 【オリの中で知らない犬と…最後を迎える前の、小犬の表情】 事業の特徴は、さまざまな人がバトンを渡すように1匹の猫に関わっていくことだ。リレーの第一歩は市獣医師会員のうち23の動物病院から始まる。保護された子猫を引き取り、ワクチン接種などの健康管理、授乳やしつけもする。生後3カ月になると、猫は60歳以上のボランティア「キトン(子猫)シッター」の家に預けられ、愛情を注がれながら人と暮らすうえでのルールを学ぶ。