火星探査機「のぞみ」の偉大なる挫折が、のちの「はやぶさ」の感動を生んだ--- プロジェクトの開始から12年。度重なるトラブルを克服して火星を目指しながら、2003年末、ついに周回軌道突入を断念した火星探査機「のぞみ」。 27万人の名前の刻まれたプレートとその祈りを抱き、火星へと飛び立った「のぞみ」に何が起きたのか。 のちの小惑星探査機「はやぶさ」開発へとつながるその苦闘のすべてを、あますところなく描いた宇宙科学ドキュメンタリーの傑作が、ついに復刊します。 JAXAでは、2010年に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の後継機である「はやぶさ2」の打ち上げを2014年に予定。帰還は東京オリンピックが開催される2020年(JAXA公式サイトより。2013年11月現在)。 <太陽系の起源・進化と生命の原材料物質の解明を目指す>という、壮大な「はやぶさ2」のプロジェクトを前に、そこにいたるためには「偉