今回は,火災を想定した二つのパターンで検証した(図1)。一つは,サーバー・ルームやその周辺でボヤ程度の火災が発生したことを想定し,200℃に予熱したオーブンレンジの中でHDDを5分間加熱した(実験H)。もう一つは,サーバー・ルーム全体が火の手に包まれるような火災を想定。HDDを200℃で30分間加熱した(実験I)。 オーブンレンジで加熱したHDDは,素手では持てないほど熱くなる。レンジからHDDを取り出した後,部屋の中に放置。約半日かけて熱を冷まし,その後,復旧作業を開始した。 結果は,(H)はすべてのデータを復旧することができたのに対し,(I)は1個のファイルも復旧できず全滅してしまった。水没や衝撃ではHDDは段階的に破損したが,熱に対しては一気に全体が損傷を受けることが分かった。以下,(H)(I)の検証結果を具体的に説明する。 (H):ICチップの全交換で100%復旧 200℃で5分間