1つのオリンピック会場から他の会場へと、気だるくバスに乗っていると、おいしそうなものが次から次に目に入ってくる。ラーメン店、焼き鳥屋、寿司屋――。 それらはすべて、薄く色のついた窓ガラス越しに見えている。まるで、この先会うこともないであろう人々や、食べる機会もないであろう食べ物の幻想を見ているかのようだ。 オリンピックを支えている「コンビニ」 これには妥当な理由がある。現在、日本は緊急事態宣言の最中だ。新型コロナウイルス感染症の陽性者数は増加の一途をたどっている。オリンピックを取材する記者である私のような外国人を何千人も街に解き放ち、レストランや居酒屋へ行かせてしまうのはおそらく軽率だろう。とはいえ、私たちだって食べなければならない。 オリンピックの開催を支えているすごいものを教えよう。東京の24時間営業コンビニエンスストアだ。日本ではコンビニという通称で親しまれている。 歴史的に見てもほ