「資本のハイエナ」の黒幕も塀の中 井上工業破産事件で暗躍した「虎ノ門グループ」の元締め、永本壹柱に切り込む警視庁と証券監視委。 2011年12月号 DEEP 警視庁組織犯罪対策部と証券取引等監視委員会がタッグを組み、3年前の「不公正ファイナンス」に切り込もうとしている。舞台は2008年10月に破産した中堅ゼネコンの井上工業。背後にいたのは、この数年、仕手筋の金主として不気味な存在感を誇示してきた在日韓国人金融ブローカーの永本壹柱(いつちゆう)氏である。 神出鬼没の謎の人物 井上工業は若き日の田中角栄元首相が奉公したこともある北関東の名門ゼネコン。が、建設需要縮小の逆風に抗えず、最後は怪しげな新株発行を繰り返す「ハコ企業」に成り果てていた。疑惑の増資は破産直前の9月24日に行われた。「アップル有限責任事業組合」なる都内のファンドを引受先に18億円の第三者割当増資を実施したのである。しかし、実