一方で、サイバーパンクとは「来なかった未来」を描いた世界でもある。だから2000年以前に生まれている世代にはそれなりになじみがあるが、十代には意外と分かりにくいようだ。 そこでちょっと「来なかった未来」と「今から考えられる未来」の違いを考察してみたいと思う。 サイバーパンクのない社会での「ディスプレイ」と「プライバシー」 サイバーパンクは、コンピュータネットワークと人体改造が発達し、そこにひもづく企業が国の存在を超えて大きくなった社会を描くものであることが多い。 核となる作品群は1980年代から90年代に生まれており、そういう意味では「ネットが活用され始めた初期に作られた概念」という言い方もできる。 サイバーパンクの世界で特徴的なのは、「情報の消費媒体としてのWebの存在感が希薄である」点が挙げられる。Webからの進化系の一つであるアプリの存在も希薄だ。 というのは、サイバーパンクのもう一
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