企画概要 明治の末年に生まれ、日中戦争から太平洋戦争へと続く過酷な時代を画家として生きた松本竣介。西欧の古典絵画に影響を受けながらも新時代の絵画を求め、20年ほどの短い画歴のなかで多彩な展開を見せました。生誕110年を記念して開催をする本展では、二科展初入選となった初期の黒い輪郭線による《建物》から、独自の静謐な都市風景の《橋(東京駅裏)》、代表作《立てる像》をはじめ、戦後、赤褐色の地色に粗い筆致で描いた《少女》まで、昭和前期の日本近代洋画壇に重要な足跡を遺し、時代を越えていまなお多くの人を魅了する松本竣介の油彩、素描約25点と彼が手がけた雑誌『雑記帳』の関連作家による挿画原画を当館のコレクションから厳選して紹介します。 展覧会の見どころ 1.短い生涯において試行錯誤を繰り返し、多様な展開を見せた松本竣介の画業の変遷をたどりつつ、雑誌『雑記帳』編集者としての側面を紹介します。 2.靉光、福