出生前検査・診断についての思いが強すぎて、そういう話題ばかり書いてきましたが、産科医として気になっているこの国の妊婦診療の問題は、他にもあるのです。そういうものも取り上げていきたいと思います。 当院では、以前より妊娠初期の胎児超音波検査を国際標準に則って積極的に行なっており、この検査は日本ではあまり普及していないことから、開院以来多くの方に受けていただいています。ただ、ときどき突然キャンセルの申し出を受けることがあり、とても残念な思いをするのです。そのキャンセルの理由として比較的多いのが、「かかりつけで切迫流産と診断され、安静を指示されたので、受診できない。」というものです。 そもそも『切迫流産』って? そもそも切迫流産とは何か。公益社団法人日本産科婦人科学会のホームページ内に以下の説明があります。 これを読むと、「流産の一歩手前」と表現されていますので、ちょっと油断していると流産してしま