インタビューと文章: 小野洋平(やじろべえ) 写真:小野 奈那子 長年、そこに住む人々の暮らしを支えてきた商店街。そんな商店街に店を構える人たちにもまた、それぞれの暮らしや人生がある。 街の移り変わりを眺めてきた商店街の長老。さびれてしまった商店街に活気を呼び戻すべく奮闘する若手。違う土地からやってきて、商店街に新しい風を吹かせる夫婦。 商店街で生きる一人ひとりに、それぞれのドラマがあるはず。本連載では、“商店街の住人”の暮らしや人生に密着するとともに、街への想いを紐解いていく。 ◆◆◆ 東京都北区にある「霜降銀座商店街」。昭和31年、霜降銀座栄会(さかえかい)が発足したことから歴史が始まった。前年にGNP(実質国民総生産)が戦前の水準を超え、「もはや戦後ではない」の流行語が生まれたのもこの年だ。冷蔵庫・洗濯機・白黒テレビが“三種の神器”と呼ばれ、力道山を目当てに街頭テレビに人が集まる、そ
