突き落としで豪栄道を破り、優勝を決めた琴奨菊(右)=東京・両国国技館で2016年1月24日、竹内幹撮影 大相撲初場所での琴奨菊の初優勝。「10年ぶりの日本出身力士の優勝」ということで1月24日、NHKは速報を流し、読売新聞は号外を配った。 産経新聞は25日朝刊1面で「ついにこの瞬間が訪れた。ちょうど10年。幾多の日本出身力士が挑んでは、はね返されてきた外国勢の厚い“壁”を突き破り、琴奨菊が賜杯を奪還した」と書いた。「日本人」ではなく「日本出身」なのはなぜ? ひっかかった。「日本人」ではないのは、モンゴル出身で2005年に日本国籍を取得した旭天鵬(現・大島親方)が12年に優勝しているからだ。 漫画家のやくみつるさんは、「10年ぶり」を強調するあまり、外国勢の賜杯占有を忌まわしい黒歴史のように扱ったテレビ番組があったとし、「これまで優勝を続けてきた外国出身力士たちに対する敬意のカケラも見当たら