中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が5日、北京で開会する。同日公表される2021年の国防費予算案は、新型コロナウイルスの影響が残る中でも高い水準で伸びる見通し。特に中国海軍は大型艦などの建造を進め、世界最強の米海軍に対抗しようとしている。 中国最大の国際経済都市・上海。国内有数の造船拠点であり、中心部を流れる黄浦江沿いにドックがひしめく。「造艦強軍 造船興国」。重油の臭い漂う一角に「滬東(ことう)中華造船」のスローガンが掲示されていた。同社の造船所では台湾侵攻を含む上陸作戦の能力向上に向け、中国初の強襲揚陸艦「075型」の2、3番艦の建造が急ピッチで進む。 強襲揚陸艦を造るドック周辺には近寄れず、渡し船から試験航海に向けた整備の続く2隻を見た。空母に似た平らな甲板と船尾の大きな開口部が目を引く。全長約250メートル、満載排水量は3・5万~4万トン。海上自衛隊最大のヘリコプター搭載護衛艦