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文化部 田中聡 3月1日は「将棋界のいちばん長い日」であった。 「いちばん長い日」とは何か。「名人戦A級リーグ」の最終日のことである。では、なぜ、それが「いちばん長い日」なのか。ちょっと解説してみよう。 将棋界にはタイトル戦が7つあって、もっとも価値が高いのが、読売新聞社の主催する「竜王戦」と朝日、毎日両新聞社共催の「名人戦」である。「名人戦」は頂点に名人がいて、その下にA、B1、B2、C1、C2と5つのリーグがあるピラミッド構造である。 具体例を挙げよう。T中という棋士がいる。最初に所属するのは、C2リーグだ。今年は46人が参加したこのリーグで10戦を戦い、上位3人に入るとT中君はC1リーグに昇格する。C1(34人)で上位2人に入るとB2に昇格。B2(24人)で上位2人になるとB1、B1(13人)で上位2人に入るとA級。そして、A級リーグ(10人)で1位になると、名人への挑戦権を得る。
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