「障害者について論じられるときは、たいてい障害者男性に、女性について論じられるときは、たいてい健常者女性にスポットライトが当てられる」 これは、家族社会学および障害学の専門家である土屋葉氏が、編著「障害があり女性であること 生活史からみる生きづらさ」の序章として書いた文章の一部です。 黒人女性フェミニストのベル・フックスの言葉を一部改変した文章なのですが、発達障害者であり女性である私には、非常にしっくりくるものでした。 障害者について論じられるときは、性差別のせいで障害者女性の声はないがしろにされ、女性について論じられるときは、障害のことを考慮されないために障害者女性の声は透明化されてしまうということを、うまくあらわしているといえるでしょう。 二重に無視された結果、障害者女性はいわゆる「複合差別」を受けている状態が現在まで続いています。 障害者女性の困難と一口にいっても、生活上の困難、結婚