第12回は作家の平山夢明さん(聞き手は講座の顧問で作家の深町秋生さん)。 少年時代の壮絶な恐怖体験、映画に熱中した青春時代や小説家になるまでの経緯。 小説に対するこだわりやスタイルなどについて話していただきました。 平山 そうだなあ。いやふつうに星新一先生とか筒井康隆さんとか読んでたよ。高校生のときは吉川英治だって読んでたよ。でも夏目漱石とか森鴎外とかはダメなんだよ。よくいるだろ? 中学ぐらいでプルースト読むやつとかさ。そういうタイプじゃなかった。 要するに読み方の問題なんだ。本になにを求めるかっていうさ。おれは日常が嫌だったから。逃げこむためだけに読んでたんだよ。日常や憂さを忘れさせてくれるようなアクの強いものでないとダメだった。そうするとどうしても選ぶのは文豪の名作ではなかったよな。 ―― 日常が嫌だったといえば、マンガ家の吉野朔美さんとの対談集『狂気な作家のつくり方』(本の雑誌