原 雅明 スティーヴ・ライヒの新譜はこの数年だけでも、立て続けにリリースされている。今年に入っても、ミヴォス・カルテットによる弦楽四重奏曲集『Steve Reich: The String Quartets』のリリースがあったばかりだ。現在86歳のライヒが自身のディスコグラフィーを振り返るインタビューが最近公開されたのだが、それは“録音が役に立たないと言う人は、その音楽がひどいか、うそつきだ”という言葉で始まる(※1)。リチャード・マックスフィールド、ポーリン・オリヴェロスとのオムニバス盤『New Sounds in Electronic Music』(1967年)が最初の商業的なリリースだった膨大なディスコグラフィーを振り返ると、ライヒの活動は録音と音楽レーベルとともにあったと改めて分かる。レーベルも多岐にわたり、その中には、アルバート・アイラーやサン・ラーをリリースしたフランスの伝説的