2022年、日本経済は「異次元」とも呼ばれる円安水準に襲われた。一時、ドル円レート(相場)は1ドル=150円を超えたが、その後反転し、23年に入ると120円台まで戻る動きを見せている。さまざまな議論が展開される中、本当は何が起きているのか。「実質実効為替レート」をもとに、背景にある構造要因を分析する。 為替レートの動きを予想するのは「不可能」 私たちは通常、ドル円レートの数字を見て、為替相場について議論する。そのドル円レートが昨年、激しい動きを示した。 それまで2013年から21年まで10年近く、多少の変動はあったものの、1ドル=110円前後で推移していた。人々は何となく、為替相場は安定していると考えていた。 ところが――21年に米国におけるインフレの動きが顕在化すると、事態は大きく変化する。ドル金利が上昇を始め、日米間の金利差が広がりだしたのだ。それを受けて、ドル円レートは一気に円安方向
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