◆海外投資家も日本国債に注目 またもや、政策より政局と言わんばかりの政治情勢だが、政治家諸氏よ、グラフ(上)をみてほしい。日本の株価だけが20年前より3割も低い。米国が大恐慌前の株価水準に回復するには25年かかったが、日本は回復の見通しが全くたたない。株式こそ市場経済の要であり、その活性化なくして日本経済の再生はありえない。その責務は官僚にではなく、決断しない政治にある。政治家は瀕死(ひんし)の株式を放置してきた怠慢を自覚すべきだ。 どうすればよいか。 即効薬は円安である。もうひとつのグラフ(下)は、この5年間の日経平均株価と円の対ドル相場の逆相関関係を証明している。つまり、円安のときに株価は上昇し、円高時には株が下落する。米欧では対照的に通貨が上昇するとき、株価も上昇する。 2007年から円高基調の続く日本では株が売られて、国債だけが買われ続けてきた。高い国際競争力を持つ民間企業が少なか