◇エネ庁、業界任せ 対応要請、FAXで4行 東日本大震災発生から一夜明けた3月12日。東京都千代田区の石油連盟に1枚のファクスが届いた。経済産業省資源エネルギー庁の安藤久佳資源・燃料部長名で、被災地への燃料の安定供給を要請するわずか4行。 連盟幹部は驚く。「石油の量や移送方法など具体的な内容もない。これでどうしろというのか」 元売り大手14社でつくる石油連盟の緊急対策本部は当時、燃料不足の病院や避難所の住所を官邸から五月雨式に知らされていた。国との災害時の枠組みはなく、東京都との協定を参考にどの社がどこに届けるかを割り当て、ピンポイント輸送を続けた。 だが現地の燃料不足は深刻だった。「避難所で高齢者が凍死しそうだ」「救急車を動かせない」。宮城県に置かれた政府の現地対策本部に訴えが相次ぐ。14日本部に入った阿久津幸彦内閣府政務官はガソリンスタンドや石油会社へ片っ端から電話させたが、一向に好転