今夏、引退を発表した宮崎駿監督の長編作品『風立ちぬ』が公開され、大ヒットを記録したことは記憶に新しい。 昨年12月、この映画と同時公開がアナウンスされていたのが、宮崎監督の盟友、高畑勲氏が監督を務める『かぐや姫の物語』だ。 制作の遅れから同時公開は実現しなかったが、公開が11月23日に決まり、 1999年の『ホーホケキョ となりの山田くん』以来の高畑長編アニメーションに、いま期待は高まっている。 ◆日本人が初めて目にする「かぐや姫」の気持ち いうまでもなく『かぐや姫の物語』は『竹取物語』が原作だ。ジブリの鈴木敏夫プロデューサーが「過去にちゃんと映画化した人はいない」と語るとおり、 短編アニメや原作に大幅な改編を加えたものはあっても、真正面からこれを描いたクリエイターはいなかった。 鈴木氏は本作の始まりを「原作には物語の中で起きたことしか書かれていない。 高畑監督はかぐや姫がその時々に一体ど