昨年11月、異例の社長人事発表が製薬業界を仰天させた。 武田薬品工業は英製薬大手、グラクソ・スミスクライン(GSK)のワクチン事業を統括してきたクリストフ・ウェバー氏が、今年6月の株主総会における承認を経て、次期社長兼COO(最高執行責任者)に就任する予定であると発表した。現社長の長谷川閑史氏は会長兼CEO(最高経営責任者)に就任するが、1年後にはCEOもウェバー氏に譲るという。ウェバー氏はフランス出身の47歳。これまで武田との目立った接点はなかった。 武田の経営幹部には、近年、外国人が増えている。取締役8人のうち外国人は2人で、執行役の最高意思決定機関である経営幹部会議の定例メンバーは9人中5人を外国人が占める。同社の売上高に占める海外比率はいまや5割を超え、全世界で約3万人の従業員の3分の2が外国人だ。 長谷川氏は「(日本人の)生え抜き社員を含む7~8人を(後継社長候補として)リストア