信大繊維学部(上田市)の谷口彬雄(よしお)教授(機能高分子学)らの研究グループが、有機EL(エレクトロルミネッセンス)の発光で野菜を水耕栽培できるコンテナの実用化に向けて、本格的な試験栽培に取り組んでいる。実用化されれば国内で初めてになるという。谷口教授は「土地や気候条件に左右されずに栽培できるため、日本の食料自給率向上や世界的な食料不足対策にも貢献したい」と話し、来年度以降、早期の実用化を目指す。 上田市の繊維学部付属農場に長さ12メートル、幅2・4メートル、高さ2・6メートルほどの国際規格の冷凍貨物コンテナを設置。8月初旬にリーフレタスの種をまいて計240株の栽培を始め、現在は発光ダイオード(LED)の光を当てている。内部の温度を21度に設定し、生育に適した波長や必要な電力量を調べている。 有機ELは、電圧をかけると有機物(炭素化合物)の種類によって赤や青、白など波長の異なる光を発