研究概要 大量の高次元観測データが得られる一方で,データの肥大化により,研究者の直感的行為である思索や試行錯誤が追いつかなくなっている.そのため,仮説/検証ループにもとづくモデル化が著しく困難になっている. 本計画研究では,高次元データに内在するスパース性を利用するスパースモデリング(SM)により,系の物理的な性質を仮定せず,生物学・地学における実験・計測データから,系の潜在構造としての物理特性を抽出する普遍的手法を開発する.これは情報理論の観点では,実験・計測データのデータ圧縮(情報源符号化)に対応する.これにより,分野の個別性を超えた類似性/共通性にもとづいたモデリング原理の確立と,種々の自然科学の状況に応じて柔軟に対処できる自然界の符号理論の構築をめざす. 本研究に関連する国内・国外の研究動向及び位置づけ 今日の科学は,仮説に基づき実験・観測を行い,得られたデータから少数の説明変数を