虚言癖、嘘つきは病気かの執筆にあたって読んだ資料の中に、理研(理化学研究所)の「研究論文の疑義に関する調査委員会」による「不服申立てに関する審査の成果の報告」(2014年5月7日付け) がある。これに先立つ2014年3月13日に同委員会は、「研究の疑義に関する調査中間報告書」を発表し、小保方晴子氏に研究不正があったと結論づけているが、それに対して小保方氏側が反論(それが上記「不服申立て」である)、そこでさらにその反論を受けて作成された文書が「不服申立てに関する審査の成果の報告」(2014年5月7日付け)である。この文書はNature誌に英文でも発表されている。これらを読み比べてみると、「悪意」の訳語が akui となっていることが目を引いた。本稿のタイトル、『小保方晴子氏のAkui』はそれに由来する。なぜ「悪意」をそのままakuiとする必要があったのか、興味が持たれるところだ。順に見ていこ