前回のその2に続いて解説します。事例で述べたステップを振り返り、特定の事例によらない、一般的な流れを見ていきます。 悩んでいる時には、つい対立する2つの行動(D、D’)を直接比較しがちですが、それでは結論を出すことは困難です。そこで、行動のもととなる要件(B、C)を考えてみます。さらに、2つの要件に共通する目標(A)を導きます。ここまでの検討で、図1のように図解できます。 ところで、このような考え方はヘーゲルの弁証法やマーケティングに似ています。ヘーゲルの弁証法では対立は解決の糸口であり、対立する命題(主張)を定義することが出発点です。マーケティングでは、顧客が明確に認識している欲求(ウォンツ)と、その背後にある要件(ニーズ)とを区別して考えます。先に述べた行動(D、D’)は対立する欲求であり、要件(B、C)がそれぞれ背後にあります。 全体の流れとしては、対立する行動(D、D’)を出発点と