Lesson680 「聞いてあげる」は良いことか? 「聞いてあげる」のは、 一般的に良いと思われている。 愚痴でも、不満でも、うっぷんでも、 溜まったままではツライから、 だれかに話せばラクになるから、と。 だが、どうも違うのではないか? そう思いはじめたのは、つい、 この正月のことだ。 ふるさとで、母が、 たまりにたまった「うさ」を 私に話していたときだった。 「このまま、母の話を聞いてあげ続けても、 どうもよくない方向へ行く。」 そう感じて、 正直に母にそう告げ、 なんと私は、母の話をさえぎってしまった。 母は失望をあらわにし、 だまって部屋を出て行った。 こう書くそばから、 「なんて親不孝な娘なの?」 「たまに帰省したときくらい親の愚痴を 聞いてあげなさい!」 という読者のお叱りが聞こえてきそうな気がする。 あれから3ヶ月以上も、 聞いてもらいたいのに聞いてもらえなかった 母の寂しそ