以前、「ムツゴロウさん」こと畑正憲氏の作った、子ども向けビデオの「動物大好き」シリーズを子供と一緒に見ていたら、面白いエピソードが出てきた。犬と猫の、対象物への関心のあり方が、こんなに違う、という話だ。 まず、道ばたの雑草“ネコジャラシ”を一本ひっこぬいて、穂先を猫の目の前にぶらぶらさせてやる。猫はすぐ前足でそれをつかもうとして、じゃれてくる。誰でもやったことがあるだろう。畑正憲によると、猫は、目の前に興味ある物体があると、ただそれだけにすべての関心と注意を集中させる性質を持っている。その他のものには見向きもしなくなる。そして、その穂先にだけ手を出そうとする。 一方、犬は全く違う。畑正憲は同じネコジャラシを、犬の鼻先にぶらぶらさせてみる。犬もそれに興味を持って、手(前足)を出したりするが、しばらくすると少し後ろに下がって、全体をじっと見る。そして、今度は、穂先ではなく、彼が手でもっている茎