また、ウクライナ国会も野党勢力が力を増し、21日にはヤヌコビッチ大統領の政敵で、職権乱用で収監されていたティモシェンコ前首相の釈放を可能にする法案を可決しました。現政権は治安維持から、国会運営を行う能力を既に喪失しているようです。現在、大統領はウクライナ北東部の都市ハルキウ(ハリコフ)にいるとも言われていますが、そのハルキウの治安当局の庁舎でも職員が書類の焼却を行っており、首都キエフ以外にも混乱が波及しています。 旧ソ連から独立したウクライナは、ウクライナ語話者とロシア語話者が混在するなど、多様性を持つ国家です。しかし、その多様性から、国内では政治的対立が長らく続いておりました。クリミア半島等のウクライナ各地では、独立をめぐる動きがあることが報道されており、ウクライナ語地域・ロシア語地域で分裂するかのような、国家が分裂する事態に陥る可能性があります。 ロシアによる調停・介入も行われつつあり