島根の子どもとメディアを考える会代表 伊藤紀子 「危ない!」。車が接近してきて、母親が男の子を抱き寄せた。男の子はびっくりして「えっ、お母さん、だってボク、車にひかれても死なんでしょ?」と、けげんな顔。ある幼稚園では、一人の園児が「朝ごはんはないよ。だってお母さんがダイエット中だもん」と、けろり。いずれも実際にあった話です。 広い校庭の隅っこに数人座って、ゲームに夢中の小学生。やっているゲームのひとつは「サザエさん一家虐殺ゲーム」。「夜中の三時すぎまで、親に知られないよう布団をかぶってケータイメールしてた!」と、寝不足の中学生もいます。彼らの多くは、いつもハンバーグばっかりの「固食」や、テレビを見ながら会話のない「個食」が日常。こうした、子どもたちを取り巻く「メディア漬け」の話はつきません。 外に出ると交通事故や不審者が心配だから、子どもが家の中でメディア漬けでも「その方が安心安全」