~「ナチ党」のルーツ~ ── 前身組織の実態 ── ナチス前史を溯って行くと、19世紀末ウィーンに芽生えた 2つの宗教的サークル(秘密結社)に行きつく。ランツが創設した 「新テンプル騎士団」と、リストが創設した「リスト協会」である。 そしてこの2つの黒い流れは「帝国ハンマー同盟」の姉妹地下組織である 「ゲルマン教団」を媒介にして合流し、第一次大戦後のミュンヘンにおいて ナチスの思想的母体となった秘密結社「トゥーレ協会」を生み出す。 そしてこの「トゥーレ協会」が生み出したドイツの右翼政党が 「国家社会主義ドイツ労働者党(NSDAP)」、 すなわち「ナチ党」であった。 以下、それぞれの組織の実態について 順番に紹介したいと思うが、「ナチ党」のルーツを見ると、 ナチス・ドイツは一種の「カルト帝国」だったと言えるかもしれない。 オウム真理教のような「カルト団体」が、ドイツという1つの国家を 乗っ取