昨年10月、がんに関する大ニュースが世界中を駆け巡った。京都大学の本庶佑特別教授が、米テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターのジェームズ・アリソン教授と共にノーベル医学生理学賞を受賞したというニュースだ。免疫をがんの治療に生かす手がかりが発見されたことで新しいタイプの治療薬の開発につながり、がん治療に革命をもたらすことが期待される、という論調が多かった。 がん治療は従来、手術、放射線、抗がん剤が中心だったが、免疫でがんを治すという第4の道を開いた、とも報じられた。 2人に1人が発症し、3人に1人が亡くなるといわれているがん。長年、日本をはじめ世界中の国々で死因第1位に居座り続けるこの厄介な病に、希望の光が射すことは素晴らしいかぎりだ。 受賞理由となった研究の成果を活用したがん治療薬「オプジーボ」。報道の直後から、使用に関する問い合わせが病院や患者団体に相次いで寄せられたという。 しか
8月19~23日にわたってボストンで開かれた米国化学会(ACS)の席上、ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)生化学のStephen Withers教授の研究チームは、「ヒトの腸内細菌に存在する酵素を活用し、A型とB型の血液をO型に変換する実験に成功した」とする研究成果を発表した。 O型は、A型とB型の人に献血できるユニバーサルな血液型だ。今回同定した腸内細菌の酵素は、従来の約30倍のスピードでO型に変えられるため、この遺伝子解析技術を実用化できれば、輸血用製剤の供給量を増やすことが可能になる。 輸血用血液製剤の不足が解消できる! 新技術の要は「赤血球の表面に結合している糖鎖」にある――。 Withers氏によれば、O型の糖鎖は基本型(H抗原)とフコースと呼ばれる糖だけが結合している。一方、A型とB型はO型と同じ糖鎖の末端に特有の糖(抗原)が結合し、AB型はA型とB型の両方の糖(抗原)が
元カノや元カレをめぐる恋愛観の男女差をよく「男はフォルダ保存し、女は上書き保存する」なんて言い方で括ったりする――。しかし、今回紹介する最新知見の示唆に関しては、男性も女性も一緒、つまり、脳への悪影響は同じようだ。 『PLOSONE』(4月12日オンライン版)に掲載された研究報告によると、常日頃から「座った姿勢」で長時間を過ごす人の場合、新たな記憶の形成に重要な役目をしめる「脳領域の皮質」が薄い傾向が判明したと、不可視な脳内環境の格差を伝えている。 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)セメル神経科学ヒト行動研究所のPrabha Siddarth氏らによる研究から導き出された結論は、椅子やソファに長く座り過ぎると、従来から示唆されてきた「心臓」ばかりでなく「脳」にも悪影響を及ぼす可能性が高いというものだった。 しかも、この脳領域皮質の、専門用語で言うところの「菲薄化」に関しては、座
英ケンブリッジ大学のケタン・パテル教授率いるチームは、「アルコールの摂取が、DNAを損傷し、がんの発症リスクを高める」とする英MRC分子生物学研究所で行なった研究成果を科学誌『ネイチャー』に発表した(「ニューズウイーク」2018年1月9日)。 アルコール(エタノール)を摂取すると、分解する過程でアセトアルデヒドが生成される。アセトアルデヒドがDNAを損傷する事実は、培養細胞を使った数々の研究で確認済みだが、その明確な機序は未解明だった。 パテル教授のチームは、マウスにエタノールを投与したところ、エタノールが造血幹細胞のDNA二重鎖を切断したため、細胞内のDNA配列が復元できなくなったという。 パテル教授は「造血幹細胞のDNAの損傷によって発生するがんもあるが、DNAの損傷がたまたま起こる場合もある。今回の研究は、アルコールがDNAの損傷リスクを高める可能性があるという明白な機序を示唆してい
「背中まで45分」とは井上陽水が沢田研二に書き下ろした35年前の傑作シングル曲。そして今、「使用まで45分」と耳目を集めているのが、奈良県生駒市の受動喫煙対策だ。 同市は4月1日から、職員による職務時間内の喫煙を禁止し(昼休みを除く)、喫煙後45分間のエレベーター使用も禁じた。これはエイプリルフールの冗談ではなく、45分規則は来庁者にも協力を求めている。 同市によれば、喫煙後の呼気にも有害物質が残り、喫煙前のレベルに戻る所要時間が45分だとか。京都医科大学発の研究結果に基づいた禁止ルールとのことで、罰則は設けていない。 同じく先月の中旬、元参議院議員にして政治評論家・筆坂秀世氏の「もう味わいたくないニコチン中毒時代の地獄の苦しみ~四の五の言わずに禁煙するしかなかった」と題されたコラム記事(JBpress:4月18日掲載)に、こんな記述を見つけた。 〈1年ぐらい前から電子タバコに変えていた。
オナニーに及ぶ男性の生態を浮き彫りにした「オナニー国勢調査 全国男性自慰行為調査2017」(TENGA HEALTHCARE CONTENTS)が行われた。早速、その結果を覗いてみよう。 発表によると、今回のインターネットによるアンケート調査は、楽天リサーチ株式会社が2017年9月25日~28日にわたって実施したもの。調査対象は、現在マスターベーションを行う頻度が「2, 3ヵ月に1回程度」以上の15歳-64歳の男性2,000人を、15歳から5歳刻みで10グループ各200名に分けて調査した。 まず、「1週間のマスターベーション回数」は、全国平均 2.94回。「都道府県別マスターベーション頻度」は、神奈川県が全国1位の3.77回。兵庫県3.65回、静岡県3.45回と続く。最下位は徳島県の 1.95回だった。 マスターベーション時に見るものNO.1は、実写アダルト動画! マスターベーションの姿勢
2017年に日本で生まれた日本人の子どもは、94万1000人。2年連続の100万人割れで、統計を始めた1899年以降で最少となった。人口減少は11年連続となっており、日本は本格的な人口減少時代に突入している。 「非婚化」「晩婚化」と並び、結婚した夫婦の間に子どもができなくなっていることも、人口減少の一因であることは論をまたない。 獨協医科大学埼玉医療センターの泌尿器科主任教授・岡田弘氏の診察室には、男性が原因で不妊となっている夫婦が数多く訪れる。そして、かなりの夫婦が「うまく子作りができない、セックスができない」という悩みを抱えているのだ。 なかでも近年、急速に増えているのが、挿入はできるけれど、女性の中で射精できない「膣内射精障害」だという。なかなか人には相談できない「男性機能が原因の不妊」について、岡田弘教授に訊いた。 バーチャルなポルノ動画が「射精障害」を悪化 岡田教授によると、近年
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