「マンガの二次創作が必ずしも著作権侵害になるわけではない」 商業マンガにとって、同人誌などに掲載される「二次創作」は、市場を涵養する意味では重要だが、それと同時に厄介な存在だ。 二次創作とは、主にマンガやアニメの設定やキャラクターを使って、著者以外が新たなストーリーを作ることを指す。厳密には好きなマンガのイラストを描く「ファンアート」も二次創作に該当する。 いまや二次創作の盛り上がりはマンガの売れ行きと連動するが、著作権的にはグレーな領域でもある。 同人誌の市場規模はいまや1000億円近いとも言われ、東京ビッグサイトなどで行われるコミックマーケット(コミケ)は4日間で75万人を動員するイベントとして完全に定着している。 去る10月6日に知財高裁で興味深い判決が出た。訴訟は、BL同人誌の作家が、無断で作品をインターネットにアップロードして広告収益を上げていたサイト運営企業に対し、損害賠償を請