ひとりのシンガーの14年前の出来事 「LGBT」「LGBTQ」(LGBTQIAと称することも)ということばを日常的に耳にするようになり、ヒット商品を作るうえでも「ジェンダーレス」がキーワードになっている近年、日本の芸能界でもLGBTをカミングアウトする人が少しずつ増え、性の多様性が認知され始めている。 政府も性の多様性に関する「LGBT理解増進法案」を進める動きも出てきた。しかし、結局は推進を進める自民党の特命委員会の中にも差別的な発言が続出し、5月20日法案了承を先送りとなった。そもそもこの法案の趣旨自体、きちんと理解されていない象徴でもあるという声も多かった。LGBTをカミングアウトする人が増えたといっても、これが日本の現状でもある。 2006年にデビューし、翌年第58回NHK紅白歌合戦に出場したシンガーソングライター、中村 中(なかむら・あたる)は、男児として生まれ、女性として生きて
![トランスジェンダーを公表したシンガーが語る「紅白で私の心は死んだ」理由(梅津 有希子)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ca99409da027c4cdb3f20dd84a8f9f8d27d93d47/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F2%2Fc%2F1200m%2Fimg_2c31205154dc0c07bc34d60a1dc8fb4a120257.jpg)