人は一人でいるときと、集団でいるとき、なぜかその行動が変わってしまう。実に理性的に論理的に考えているつもりでも、実際には何かに影響を受けている。 そればかりか、人に押し付けられたバイアスがいつのまにか自分に染み付き、それに寄せるような人格を形成してしまったりするのだ。「あなたはこういうタイプ」と言われ続けると、本当にそのタイプになるような行動を無意識にとってしまう。 そこに人間心理の謎と興味深さがある。 前回に引き続き、7つの心理・社会実験の結果を見ながら、人間の心の謎について迫っていこう。 1. マシュマロ実験 (子どもの自制心と将来の社会的成果の関連性を調査) この画像を大きなサイズで見るarticle source:wikipedia 心理学者ウォルター・ミシェルが1960年代末から70年代初頭に実施した、子どもの自制心や我慢に関する研究である。 4~6歳の子供に、椅子のそばにあるテ