迷わずに歩けるようになったら一人前の大阪人――。七つの駅を取り込み、くもの巣状に広がる大阪・梅田の地下街は、日本最大級と称される半面、複雑怪奇さでも知られる。連日、「遭難者」が続出する巨大空間。どうすれば克服できる? 大阪市営地下鉄梅田駅の改札口。道案内専門の交通局職員「サービスマネージャー」が、通行人にせわしく応対する。駅員に道を尋ねる客が絶えないことから、5年前に配置された。8人が1日平均計400人のガイドを担う。最も多い質問は地下鉄西梅田・東梅田両駅への乗り継ぎ。本来なら両駅とも10分足らずだが、一本道ではなく、見通しも悪いため、多くの「迷子」が生まれている。 なぜ、これほど迷いやすいのか。梅田地下街は、阪急三番街からドージマ地下センターまで南北約1.3キロと、泉の広場からハービスOSAKA方面への東西約1.2キロの地下街に、大阪駅前ビルの地下階などが合わさって形成されている。地下街