深澤直人さんのデザインの輪郭という本がある。私は、出版された直後から今まで10年近く、何度も読もうとしたのだけど、全然読めなかった。文字情報としては、頭の中に入ってくるのだけど、なんだか本当の内容が入ってこないような居心地の悪さを感じる本で、今まで読めたと言えなかった本だった。 この本の居心地の悪さは、この本が特別難しかった解りにくい組み方をされてせいではない。むしろシンプルな言葉で、読みやすいレイアウトで、時々は美しい写真が付いて、深澤さん自身の言葉でデザインについて語られてる本である。 そして、2005年の初版から13年、今年に入り、やっと読めた気がする。原因は、まだはっきりわからないのだけど、今の仮の答えとして、この本は「デザインの概念を読む」本ではなく、「デザインの概念を自分の体験とともに感じる」本なのだと思った。 今まで「文字を読めなかった」というより、「文字から感覚を感じとるた