東日本大震災の被災者らを対象とした東北地方の高速道路無料化が20日始まる。被災地では歓迎ムードが出ている半面、国土交通省が検討している「被災者以外も含めた全車種無料化」は実現のめどが立っておらず、東北の夏の観光シーズンに間に合うかは微妙だ。一方、高速料金の「休日上限1000円」と無料化社会実験は19日で終了。復興財源捻出のためとはいえ、全国的に見ればメリットが消える地域の方が多い。震災後の低迷に苦しむ観光地などからは失望や戸惑いの声が上がっており、ちぐはぐな印象は否めない。【三島健二、樋岡徹也】 ◇被災者以外、全車種拡大 夏の実施、不透明 東北地方の高速無料化は、菅直人首相が意欲を示し、実施が決まった。宮城県震災復興推進課は「被災者が遠方の避難先から地元に帰ったり、事業立て直しに戻る際に便利になる。トラックやバスも無料化されると復興速度が上がり、ボランティアも来やすくなる」と評価する。 無